第12回箸川柳大賞発表


広島県 岡田様、
おめでとうございます!

大賞賞品/箸職人が作るオリジナル(大賞川柳入)の携帯箸「八四郎(はしろう)」セット

講評/シンプルながら人気映画「アナと雪の女王」から流行語を利用する公募川柳的テクニックを使い、「箸は」という問に対し「日本文化のありのまま」という答えとした作品は、江戸川柳の基本である「一章に問答」という伝統の構成にもかなっていることが、選考委員会の推薦となったものです。若き才能の受賞を嬉しく思います。

講評/今北陸が熱い・・・ということを感じますが、新幹線効果は絶大のようです。擬人法による「新幹線が伸ばす」というフレーズが、単なる意味や報告の世界を脱し、表現者としての巧みさを垣間見せてくれます。北陸の味に向かう人々の心が、箸を通して見事に映像化された作品です。

講評/リハビリに豆を箸でつまむという状況報告の作品は無数に届いていますが、「豆と箸」が「涙を知っている」という心理まで描いた作品は、ほかにありませんでした。もちろん「豆と箸」が「知っている」というのは見立てで、その涙こそ「作者」や「周囲の家族」といったニンゲンそのものの思いなのです。

講評/やや淡泊、同想もある表現ですが、審査員の心をひいたのが「和食」の「世界遺産登録」という快挙を踏まえての「箸と和の心」というフレーズだったのでしょう。箸メーカー主催の公募川柳ならではの「主催者の思い」に叶った作品でしょう。川柳もまた「和の心」です。若い作者に期待です。

優秀賞賞品/箸職人が作る優秀賞川柳入り箸セット

評価/何げなく見た夫の箸。長年使われてきたその状態が夫の姿(特に頭)と重なり、思わず苦笑してしまう妻。「ハゲ」というユーモラスな言葉から夫婦生活の年月とほのぼのとした愛を感じさせられます。

賞品/受賞された方の名前を入れたお箸+近藤氏の著書

近藤珠實(こんどうたまみ)氏

『清紫会』新・作法学院学院長。 作法をより現代社会にマッチしたものとするため、新作法「清紫会」を結成。新・作法学院で生徒指導の傍ら、テレビ、講演、執筆、社員教育などで活躍中。

評価/私と同世代の作者だったのですね。クールジャパンはいろいろとありますが、「和食」がクールジャパンなら、それをサポートする「箸文化」もクールジャパンを一役買っています。兵左衛門さんの企業ポリシーもまた、日本文化を担うものです。2020年に向け世界に開いた日本の今を摘み上げた見事な作品です。

賞品/受賞された方の名前を入れたお箸

尾藤一泉(びとういっせん)氏

川柳家。 川柳「さくらぎ」主宰。川柳学会専務理事。女子美術大学、武蔵野美術大学非常勤講師。Web川柳博物館。著書に『川柳総合大辞典』、『親ひとり子ひとり』、『門前の道』ほか。

評価/はじめて出会う男女がお互いの箸さばきに惚れると言うのは大事な事です。新しい家庭が、お箸で創られるのは嬉しいかぎりです。

賞品/受賞された方の名前を入れたお箸+著書



三田村有純(みたむらありすみ)氏

東京藝術大学美術学部教授。 日展評議員・日本現代工芸美術家協会評議員。日本漆文化研究所副理事長。

評価/それぞれの国々が持つ何千年と続く文化の違いが経済交渉の障害になっているのでしょう。お互いの食の違いを理解し、尊重し合うことで、今後合意へ向けての展開に重要な鍵を握っているのかもしれません。

賞品/受賞された方の名前を入れたお箸

賞品/入選された方の名前を入れたお箸

※順不同

作品 お住まい
/お名前orペンネーム(年齢)
退院し急に元気な箸づかい 東京都/稲岡俊一さん(70)
クレームが入る女優の箸使い 熊本県/チデンシンヤさん(33)
化けててもヨーデルヨーデル箸の癖 東京都/風信子さん(55)
日本食文化遺産と箸文化 兵庫県/尼の政爺さん(69)
壁ドンの恋もドン引き握り箸 東京都/うさぎ柄の箸さん(49)
初孫に寄ってたかってお食い初め 大阪府/堂上さん(71)
食事して七難隠す箸使い 神奈川県/十六夜さん(56)
およばれにあなたが目立つ箸使い 三重県/上田さん(84)
マイ箸がしっくりなじむいい笑顔 福井県/大和田さん(66)
そのお箸ご飯と一緒に笑ってる 東京都/岩アさん(14)
箸をもちいきなりなんかおなかへる 東京都/荒木さん(12)


※順不同

作品 お住まい/お名前orペンネーム(年齢)
箸を持つ君に捕まるおれと豆 宮城県/木立慈雨さん(53)
五輪待つニホンの箸とおもてなし 埼玉県/ふうたんさん(64)
いつの日か世界遺産に箸文化 北海道/柳月さん(50)
箸使い知らず知らずにボケ予防 神奈川県/あっくんさん(35)
五輪ではOHASHI二本のおもてなし 岐阜県/よっさんさん(62)
ばぁちゃんの箸は じぃちゃん名前入り  福岡県/三日坊主さん(64)
里にまだ自分の箸がある安堵 神奈川県/ぱんまろさん(29)
妻の箸しゃべりながらもよく動く 兵庫県/てんじょうさん(75)
骨だけが惚れ惚れ残る箸上手 神奈川県/半熟女さん(61)
箸使い豆と魚に試される 東京都/いーじーさん(77)
「そりゃ違う」箸でテレビに物申す 兵庫県/松下さん(53)
少子化に小さな箸が増える幸 神奈川県/ひなこさん(63)
レジェンドがここにあったか箸文化 奈良県/渡邉さん(80)

総評
「箸川柳」も12回。ひとつの箸をテーマにしながらも、時代を捉えた作品が増え、技術的にも向上しているのを感じます。優秀賞の「北陸へ」「リハビリの」2作品がそれに当たるでしょう。選考委員会が選んだ13歳のジュニア作品は、やや幼い口調ながらも、流行語の中に「箸」という存在をしっかりと捉えています。若き才能に期待が大きくなります。その他の受賞句も、それぞれに作者の思い、社会を見つめる目が利いていて、ニンゲンを直接描く川柳の面白さが伝わってきます。
特別審査員/尾藤一泉