第14回箸川柳大賞発表

第一回(社内)箸川柳第二回箸川柳第三回箸川柳第四回箸川柳第五回箸川柳第六回箸川柳第七回箸川柳第八回箸川柳第九回箸川柳
第十回箸川柳第十一回箸川柳第十二回箸川柳第十三回箸川柳

兵左衛門


第14回を迎えました箸川柳、今回は4,116句の投稿がございました。
今回も多数の皆様よりご応募いただき、ありがとうございました。 兵左衛門社内での厳正なる審査の結果、大賞以下各賞が決定いたしましたのでここに発表いたします。


P.N.向日葵様、
おめでとうございます!

大賞賞品/箸職人が作るオリジナル(大賞川柳入)の携帯箸「八四郎(はしろう)」セット

講評/箸という日本の文化の一面を象徴する存在を通して、古くから継承されてきた日本の心、自負が見えてくる。箸の持ち方やちょっとした仕草だけで、自らが受け継ぎ子に託した「しつけ」が、また次の世代へ受け継がれる安堵と悦び。核家族化の社会での外孫の様子とすれば、さらにその思いは作者にとって強いのではなかろうか。箸を通しての文化が一句となった。

講評/和の嗜みはうつくしい。何気ないしぐさの中の日本のココロを描いた一句。作者は、若い女性。ふと見た殿方への視線だろうか。僅か十七音で、対象への思いや心の動きが見えてくる。

講評/ある意味で時事川柳だろう。「モリトモ」以降、急に注目を浴びた昭恵夫人。ついでに、総理の箸の上げ下ろしまで指摘されてしまったのは、首相という公の立場であり、庶民の目は川柳を通しても厳しい…。

講評/人も箸も日常に流されている状態では、空気のような存在でもあるが、ひとたび意識すると、その深みをはじめて識る契機にもなる。「ふれてみて」という上五が、箸や人を通して五感と意識を結び付ける。

優秀賞賞品/箸職人が作る優秀賞川柳入り箸セット

評価/毎日、食事をしながら交わした家族の楽しい会話!巣立って行った子どもの箸は、何も言わないけれど、見るたびその子の想い出が・・・。「箸」がいかに使っていた人の一部になっているかを強く思わせられます。

賞品/受賞された方の名前を入れたお箸+近藤氏の著書

近藤珠實(こんどうたまみ)氏

『清紫会』新・作法学院学院長。 作法をより現代社会にマッチしたものとするため、新作法「清紫会」を結成。新・作法学院で生徒指導の傍ら、テレビ、講演、執筆、社員教育などで活躍中。

評価/「箸」は食文化、「筆」は、日常から芸術まで使われた日本伝統の道具。11歳の少年が、すでに伝統を解し、箸や筆との接点において日本人としての自負が背筋に形として現れる。日本、捨てたもんじゃない。

賞品/受賞された方の名前を入れたお箸

尾藤一泉(びとういっせん)氏

川柳家。 川柳「さくらぎ」主宰。川柳学会専務理事。女子美術大学、武蔵野美術大学非常勤講師。Web川柳博物館。著書に『川柳総合大辞典』、『親ひとり子ひとり』、『門前の道』ほか。

評価/私も仕事柄、世界中を旅行する機会も多く、また、長期に亘って転々といろいろな国を渡り歩くこともあります。そんな道中、食事の場でお箸を出されると心が落ち着き、ホッと気持ちも和らぎ、日本人であることを改めて感じる瞬間でもあります。今後世界で活躍する場が広がっている方の素晴らしい句であります。

賞品/受賞された方の名前を入れたお箸+著書



三田村有純(みたむらありすみ)氏

東京藝術大学美術学部 参与 名誉教授。 日展評議員・日本現代工芸美術家協会評議員。日本漆文化研究所副理事長。

評価/20年にわたり、お箸の持ち方、使い方を教える教室を開催してまいりました。その時に遭遇する場面を思い起こさせる、まさに一句であります。大人がしっかりと新しい世代に伝えていくこと、それこそが今の日本に必要なのではないかと感じる句でもあります。

賞品/受賞された方の名前を入れたお箸

賞品/入選された方の名前を入れたお箸

※順不同

作品 お住まい
/お名前orペンネーム(年齢)
まだ活ける使い古しの箸・亭主 埼玉県/湯たんぽさん(73)
お食い初め今日から箸の国の人 三重県/海風さん(58)
青い目のYOUのふり見て直す箸 東京都/風信子さん(57)
箸使い画竜点睛欠く美人 東京都/カジさん(69)
おばんざいお箸で取り分け和食の美 東京都/もも子さん(43)
レポーター何とかしろの箸使い 愛知県/フーマーさん(62)
ネイルよりオレの目を引く箸使い 京都府/ごんぞうさん(52)
折鶴を添え一膳の祝い箸 滋賀県/井田さん(70)
上カルビ忖度の無い孫の箸 愛知県/さごじょうさん(34)
孫の名にフリガナの要る祝い箸 愛知県/かきくけ子さん(66)
マイ箸と五輪・リニアの夢の旅 東京都/都井 岬さん(70)
初孫に箸ファーストで初躾 東京都/犀川一郎さん(54)


※順不同

作品 お住まい/お名前orペンネーム(年齢)
おもてなし箸ひとつにも日本の美 滋賀県/一二三茶さん(56)
神ってるとてもきれいな箸使い 大阪府/ぴちまつさん(47)
箸作法履歴書よりも雄弁に 千葉県/安田さん(60)
おふくろのしつけレシピに箸づかい 神奈川県/はますだれさん(55)
箸に書くキラキラネーム保育園 千葉県/五郎さん(67)
色白も隠しきれない箸の癖 兵庫県/鯖ナンさん(42)
子が生まれ見直す家計箸使い 大阪府/逆ペリカンさん(34)
お泊りにマイ箸持参で孫が来る 長崎県/晴グランマさん(57)
美しい国に繋げる箸文化 愛知県/まやりーなさん(14)
いい国に生まれたと知る夫婦箸 神奈川県/笑司さん(71)
子育ての醍醐味知った箸使い 埼玉県/あまたさん(53)
愛国は勅語読むより箸使い 東京都/野上等々力さん(66)
妻も娘も箸まで赤いカープ女子 千葉県/極楽鳥さん(57)
幸せと大豆上手に拾う箸 愛知県/もよさん(55)
一安心愛ちゃん嫁ぐ箸の国 東京都/よしぼうさん(76)



【総評】
「箸川柳」も14回目を迎えるが、箸という存在は、日本人にとって身近なものだけに、作者にとっての見つけどころが多々あり、入選作では、比較的面白い視点が毎回みられるのがいい。また、如何にも川柳らしい人情の機微を描いた作品も多く、単なる言葉の可笑しさだけに頼らない面白さがある。反面、寄せられる作品には、類想も増えてきている。過去にあったような作品は、出来るだけ避けて「箸と今」や「箸と自分」を新しいく捉えた作品が求められる。次の節目の15回には、さらに箸を通した「今」が描かれる作品が増えることを楽しみにしている。

特別審査員/尾藤一泉